臨床心理学第15巻第3号―産業・組織領域で働く心理職のスタンダード

臨床心理学第15巻第3号―産業・組織領域で働く心理職のスタンダードの詳細

産業・組織領域の心理職に向けて、その考え方や姿勢をまとめてくれています。「産業・組織領域における心理職の現状と課題」（高橋美保氏）では、メンタル不調者の欠勤によるアブセンティズムと併せて出勤していたとしても効率が上がらないプレゼンティズムについての視点や心理職の組織の中での貢献の可能性として、ポジティブな側面を観る視点や仕事以外の生活を含めた全人的な関わりの視点の提供について、「ライフ・キャリア構築」（金井篤子氏）では、キャリアの段階と課題（表2）など実務で使える考え方や資料を提示してくれ、「総合サービスとしてのＥＡＰのための専門技能」（白波瀬丈一郎氏）では、心理職としての臨床技能の未熟さを社会人体験で補おうとする危なさを指摘しながら、心理職としての臨床技能」をまずしっかり身につけることのたいせつさを説き、対クライエントのアセスメント力だけではなく、その場にいる人々すべてがアセスメントの対象であると考えること、など、カウンセラーとしての自分の経験や知識の整理とともに、日々の実務の中でなにを考えていかなければならないかを教えてもらいました。