作曲少女2~転調を知って世界が変わる私たちの話~

作曲少女2~転調を知って世界が変わる私たちの話~の詳細

この物語から音楽の知識を得たいのか、それとも音楽の知識より作品正世界を楽しみたいのかで、感じ方や評価が分かれる本だと思う。作曲がテーマなのだから作品世界を楽しむのもそこに付随する何かを期待するのが普通でしょう。作曲の知識を得たいのであれば、やや知識量が少ない。作曲理論といっても本格的なものではないし、ましてや「音楽通論」の教科書のような内容ではなく、ほんの入門程度という感じのもの。和声法、対位法、管弦楽法などが体系的に詳しく説明されているわけではないので。なので音楽や作曲の知識を得ることを目的にこの本を読むとやや物足りないと思うし、作品世界を楽しみたいと思うのであれば楽しめる内容という感じの本だと思う。基本的に音楽や作曲と関係ない文章も多いし、主人公や登場人物の心の動きなどの描写とか「ライトノベル」という雰囲気がすごく強い。やっぱりひとつの小説として楽しむべき本のような気がする。かつての「のだめ」みたいに、主人公を応援したくなるし、これから成長して活躍して欲しいと思ってしまうので、続編が期待されるでしょう。ひとつの小説として捉えると楽しい作品だと思いました。