人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話

人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話の詳細

この本は、日本ではあまり知られていない精神腫瘍科の医師とその患者さんの物語。精神腫瘍科医とは、簡単にいうとがん専門の精神科医といった所だろうか。本書は7章に分かれていて、国立がん研究センターの清水先生とそれぞれ1章ずつに患者さん達のストーリーが描かれている。私はがんに対してネガティブなイメージを持っていたが、がんに罹ることは人生において大切な気付きを与えてくれることでもあり、決して悪い側面ばかりではないのではないのだと感じた。がんに対するイメージをいい意味で変えてくれた。私は24歳で、まだがんを身近に感じる年ではない。けれども実際に20代前半で亡くなった方の物語もあり、考えさせられることが多かった。読む人それぞれによって、感じ方が全く変わるのではないだろうか。本書を読んで、今五体満足で生きられている日常に感謝の念が芽生え、これからの一日一日をより濃いものにしていこうと感じた。これからの人生が長いからこそ、若い世代に読んで欲しい一冊だ。人生を生きる上での指針を自ら考えるきっかけを与えてくれるだろう。